検索すると「うざい」の文字が

2017年の後半から今年にかけてSNS上で猛威をふるい、多くの人をモヤモヤさせたサービスがある。そう、「質問箱」のことだ。ツイッターアカウントで登録すると、匿名の質問をフォロワーから募集することができ、画像つきで回答できるアレである。

同サービスは、個人が開発したものだが、わずか1ヵ月という異例のスピードで企業が買収。その時点で、月2億PVの巨大サービスへと急成長していた。タイムラインに流れる、匿名の質問が表示された緑色の画像を、誰もが一度は見たことあるはずだ。

そんな人気サービスに、モヤモヤする人がたくさんいるのは何故なのだろうか。ツイッターの検索窓に「質問箱」と入力すると、予測検索に「うざい」と出てくる(1月8日時点)ことからもわかるとおり、圧倒的な人気とは裏腹に、多くの“アンチ”を生み出しているのである。

「タイムラインが埋め尽くされてしまう」「有名人ぶっていて痛い」「承認欲求の温床」など、さまざまな意見があるなか、今もなお流行している「質問箱」をめぐる人々の心理とは? 今回は、毀誉褒貶が激しい「質問箱」について考えていきたいと思う。

「誰かの質問に答えたい」という根源的な欲望

正直に言って、この記事を書くのにはそれなりの勇気が必要だった。なぜなら、筆者のフォロワーの中にも「質問箱」を利用している人が多いからである。しかし、それと同時に筆者の元には「質問箱」に対して違和感を表明する声が、いくつも届いていた。それほど、「質問箱」はユーザー心理の深い部分を突いたサービスなのだ。

 

とはいえ、この手のサービスが流行るのは、今回が初めてではない。ネット上では以前から同様のサービスが浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返していた。いったい何度目の流行か正確にはわからないが、「不特定多数からの質問に答える」、または「匿名で質問する」という欲望は、現代においては根源的なものなのかもしれない。

「質問箱」を利用している人に話を聞くと、「自分に対して、他人がどのような興味を持っているのかわかって勉強になる」「単純に、他人からの質問に答えることが楽しい」といった言葉が返ってくる。気の小さい筆者なんぞは、「質問が一つも来なかったらどうしよう」と思ってしまうが、彼、彼女たちにはそのような不安はないようである。

そもそも、質問に答える側と、質問する側(匿名で)の需給関係が成立しなければ、「質問箱」のようなサービスが流行ることはない。わざわざ水を差すような記事を書いておいてなんではあるが、その点において開発者や運営会社のマーケティング感覚は間違っておらず、サービス自体は時流にあった素晴らしいものだと言える。

しかし、SNS上で起こっている「現象」にはやはりモヤモヤするし、実際に「質問箱」を利用するユーザーをブロックしたり、ミュートしたりする人も一定数いるようだ。

回答の押し売りに辟易する人も

人々は、「質問箱」のなににモヤモヤしているのか。筆者が周辺取材したなかで一番多かったのは、「タイムラインが質問箱で埋め尽くされて、うっとうしい」というものである。

前述の通り、「質問箱」は質問の内容を画像で表示して、フォロワーのアテンションを獲得する仕組みになっている。加えて、集まった質問にまとめて答える人が多いため、「質問箱」の連投によって他の投稿が読みづらくなってしまう、というわけだ。

そして、二番目に多かったのは、そうした仕組みにより、「興味のない人の、興味のない質問の、興味のない回答を強制的に見させられてしまう」という不満である。

 

当たり前だが、普段の日常において、質問の回答は質問した人に向けて行われる。しかし、「質問箱」では、それがフォロワー全員に共有され、質問をしていない人まで、質問の回答を押し付けられてしまう。それがこのサービスの売りの一つではあるのだが、その売りが人々の反感を買ってしまっているのだから、皮肉なことだ。

有名人ぶって痛い、承認欲求の温床……

ほかには、「有名人でもないのに、有名人ぶっているように見える」という意見もあった。確かに、「公(おおやけ)」に向かって質問に回答する様子は、雑誌のインタビューに答える有名人の姿と重なる部分がある。「他人からの興味を集めたい(質問してもらいたい)」という承認欲求の温床に「質問箱」がなっているという声もある。

さらに、当たり前だが、SNS上の人気者に質問が集中する傾向があるため、質問に多く答えることで、自分の人気を周りに示すという効果も「質問箱」にはある。つまり、質問と同時に、やっかみや嫉妬も集めてしまうのがこのサービスの特徴なのだ。欲望と拒絶が交差するポイントを突いたからこそ、月2億PVものヒットになったとも言える。

本連載の著者・宮崎智之さんの『あの人は、なぜあなたをモヤモヤさせるのか 完全版』(Kindle版)が発売中!

質問箱の利用者の中には、悪口やセクハラまがいの質問が来て傷ついた、という人もいた。匿名で質問できるからこそのトラブルだが、その点に関しては、今後運営側が改善策を講じる可能性もある。なにせ、まだ始まったばかりのサービスである。

さまざまな議論がありながらも、おそらくこれからもサービスは続いていくし、たとえ今の流行が去ったとしても、また忘れた頃に新しい質問サービスが登場することであろう。私たちは、匿名による質問サービスと、どのように付き合っていけばいいのか――。「質問箱」は私たちに対して、そう質問を投げかけているのかもしれない。

当連載についてご意見がある方は、筆者のTwitterアカウントにご連絡いただきたい。すべてには返信できないが、必ず目を通したいと思う。

 

引用元

https://diamond.jp/articles/-/155052

このサービスは面白い反面、アンチの巣窟になっていますね。

なんとかして改善してもらえたら嬉しいものです。

 

 

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