「早急に建物を取り壊すことを決定し、テナントにも通知した」

ロアビル(六本木共同ビル)が、姿を消すことになった。1973年に竣工した地上13階建ての歴史あるビルで、「ROI」の文字を大きく壁面にあしらった外観が特徴の1つだ。バブル時代にはディスコも入り、一世を風靡した。近年は1階に「六本木横丁」の名称で、居酒屋、焼肉、焼き鳥、すし、串揚げなどの約20店舗もの飲食店が入り、人気をとっている。

ビルオーナーの決定を後押ししたのが、3月29日に東京都が発表した「耐震診断が義務付けられている建築物の耐震診断結果等の公表について」だ。六本木・ロアビルは、震度6強~7で倒壊する可能性が高い「安全性の評価Ⅰ」の建物として「実名」が公表された。東洋経済オンラインでも「独自マップ!東京23区『危ない建物』はここだ」(4月13日配信)、「注意!東京23区『大通り沿い』危ないビル一覧」(4月20日配信)で詳しく追ってきた。

「実名」を公表されたビルオーナーに波紋が広がる

建物の耐震化を促進する目的で実施された措置ではあるが、「実名」を公表されたビルオーナーには波紋が広がっている。

ロアビルでも、実名公表後に共同でビルを所有するオーナーが対応を協議し、取り壊しを決定。「ちょうどテナントの説明を終えたところだ」(管理会社)という。

現時点で解体時期の見通しは立っていないが、今年9月までには7割近いテナントとの賃貸契約が切れるので契約を更新せず、残りのテナントにもできるだけ早い退去を要請。テナントの退去が済み次第、解体工事に取り掛かる。

東京都は、なぜ建物の「実名」で耐震診断結果の公表に踏み切ったのか。

 

今回の措置は東京都に限ったわけではなく、2013年11月に施行された改正耐震改修促進法に基づいて全国で実施されることが決まっているものだ。病院、店舗、旅館など不特定多数の人が利用する大規模建築物(床面積5000平方メートル以上)は、2015年12月末までに各自治体に耐震診断結果の報告が義務付けられていた。

その結果の公表時期は「準備が整い次第」として各自治体に判断が任されており、東京都では2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が2年後に迫った、このタイミングで公表に踏み切った。

「すでに2年前から実名の公表は決まっていたことで、そのことは各事業者に伝えていた。耐震診断結果の報告を義務付けられていた建物では何らかの対策を進めていたはず」(東京都都市整備局市街地建築部建築企画課)と、法律に基づいた措置であることを強調する。

SHIBUYA109の場合

確かに耐震改修促進法が改正されて4年以上が経過しており、1981年以前の旧耐震基準で建てられた建物のオーナーは何らかの対応に迫られていた。今回、六本木・ロアビルと同様に「安全性の評価Ⅰ」と公表された商業ビル「SHIBUYA109(道玄坂共同ビル)」の場合、すでに耐震改修工事を行う準備を進めていたが、今回の公表には間に合わなかった。

「商業テナントビルとして稼働させたまま、テナント企業に影響がないように耐震改修する方法を検討してきた」と、渋谷でも人気が高いテナントビルだけに稼働率を維持する工夫に時間がかかっていた。昨年度から設計作業には着手しており、2019年度には着工する計画だ。

「安全性の評価Ⅰ」の建物を取材すると、それぞれに対応が遅れる、何らかの事情を抱えていた。しかし、大地震がいつ発生するかはわからない。実名の公表を機に、いかに対策を加速できるかどうかである。

六本木ロアビル1階には「六本木横丁」の名称で、居酒屋など約20店舗もの飲食店が入っている(撮影:紐野義貴)

六本木ロアビルは、森ビルを中心に2008年に再開発準備組合を立ち上げている「六本木5丁目西市街地再開発事業」の対象区域にかかっている。本来なら再開発計画が決まって着工するタイミングで古い建物を取り壊したほうが都合はいいはずで、ロアビルのオーナーも事業計画が具体化するのをギリギリまで待っていたのだろう。

しかし、準備組合を設立して10年が経過しても再開発が動き出す様子がない。森ビルでは「ロアビルの解体と六本木5丁目再開発事業は関係ない」(広報)しているが、今回の実名公表で、先行してビル解体に踏み切ることにしたと推察される。

技術的な理由で対応に苦慮しているのが、紀伊國屋書店が保有する新宿の「紀伊國屋書店ビルディング」である。1年前の2017年3月に同ビルは東京都の歴史的建造物に選定されており、建物の外観デザインを損なうような耐震改修がやりにくくなったからだ。

歴史的建造物を選定しているのは、同じ東京都の都市整備局でも都市づくり政策部緑地景観課。選定基準は以下の4点だ。

① 原則として築後50年以上経過
② 地域のランドマークの役割を果たし、東京都の景観づくりに貢献
③ 可能なかぎり建設当時の状態を保存
④ 外観が容易に確認できる

外側から補強する工法は使えない

紀伊國屋書店ビルディングは、ル・コルビュジエに師事した著名建築家、前川國男が設計し、1964年(昭和39年)に竣工した地上9階地下2階、鉄骨鉄筋コンクリート造のビル。既存ビルの耐震改修では、外側から補強する工法が一般的だが、同ビルでは使えない。内側から建物の構造を強化できる工法を検討している段階で、現時点では耐震改修の時期は決まっていない。

実名公表のビルで、最も厳しい対応に迫られているのが、JR新橋駅前西口地区にある「ニュー新橋ビル」だろう。1971年に竣工した古い区分所有ビルで、2年前に市街地再開発準備組合を設立したばかり。今後の再開発事業の行方がどうなるのかが注目だ。これについては近日公開予定の別稿で詳しく解説したい。

 

引用元

https://toyokeizai.net/articles/-/217913

六本木の街全体が、耐震工事に入りつつあります。

六本木の街が少しずつ変わり始めますね。

 

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