安倍総理が表明した70歳継続雇用。

もし、実現したらどんなメリットとデメリットが考えられるか。

40歳以上の会社員からは歓迎の声

官民が連携して将来の経済の成長などについて話し合う「未来投資会議」で、22日、議長である安倍総理は「70歳までの就業機会の確保を図り、高齢者の希望・特性に応じて多様な選択肢を許容する方向で検討したい」と表明した。

継続雇用の義務付けは、現在65歳だが、70歳まで引き上げることで、高齢者の就業機会を確保しようという。

しかし、「70歳継続雇用」をめぐって世代によって意見が分かれた。

59歳の製造業の会社員は、「もし体が丈夫なら働きたいと思う。家のローンが退職しても残るので、給料もらっていかないと払えない」といい、60歳の会社員も「大歓迎です、元気なうちは働こうと思います」と好意的な様子。

内閣府の調査では65歳から69歳で「収入を伴う仕事がしたい」「続けたい」と答えた人は半数以上の65.4%。

一方で働く現場からも、56歳の建設業の会社員は「建設がらみの仕事で、工場でも人が足りない。みんなその方がハッピーなんじゃないですか」といった意見や、43歳の物流業の男性は「作業的な要因は不足していると思うので、すごく良いと思います」と歓迎の声があがった。

「働きたい」高齢者、日本は多い

実は、今年1月から9月までに人手不足で倒産した企業は299件(東京商工リサーチより)。

去年の同じ時期に比べて30%も増えている。

雇用問題に詳しい岡山商科大学の三谷直紀教授は、「現役世代が増えることは財政を好転させることになります。65歳後半の高齢者の中で働きたいと言う人が非常に日本は国際的に見ても高い」と70歳継続雇用で人手不足の解消が見込まれると述べている。

また、「働く世代が増えるということは年金を収める人も増えるということに通じます。70歳継続雇用は、年金制度をより安定化させる余地を拡大するということにつながります」と年金制度への影響もあると指摘。

では、実際に年配の人と働くとどうなるのか。

30代のアパレル業の男性は「60歳過ぎても仕事をしていらっしゃる方は、まだまだいらっしゃいます。経験値だったり、学べる機会が増える」と、23歳の経営コンサルタントの男性は「経営コンサルティングだと、知識がある年配の方が契約が取れやすいので、会社にとっては良いと思います」と話した。

20代からはネガティブな声も…

そんな年配ならではのノウハウをフルに生かしているタクシー会社がある。

千葉県にある協進交通は、5年ほど前に継続雇用年齢を65歳から75歳に引き上げたという。

小池満尚代表取締役は「優秀だった乗務員さんたちが年を重ねていき、彼らはまだまだ働けると感じたことがきっかけで75歳まで延長しました」と明かした。

現在、65歳以上のドライバーが9人在籍しているが、その狙いについて小池代表取締役は「年齢の高い人の方は経験値が高く、若い子にいろいろと助言ができたり、指導ができたりします。また、お客さんとのコミュニティーがありますから、地域の中で足代わり手代わりですので、仕事に対する満足感みたいなものが多分にいい」と話した。

この取り組みが評価され、2017年には厚労省などが高齢者がいきいきと働くことのできる職場づくりの実践やアイデアの普及を目的としたコンテスト「高年齢者雇用開発コンテスト」で表彰された。

だが、「70歳継続雇用」については、20代の会社員からはネガティブな意見も出ている。

24歳のIT業の会社員は「年齢を重ねるとITの情報格差に取り残されていくような感覚もあるので難しいかな…」や、23歳の不動産関連の会社員は「ジェネレーションギャップがあります。40代や50代でも内容も分からない話をしている人たちがいるので、69歳の上司は少しやりにくい。その分、僕たちの給料とかに回してほしい」といった声があがった。

若年層への影響について三谷教授は「本来、定年で辞職する社員が残ることで、新卒の募集が減り、多くの企業が導入すれば、多くの新卒者があぶれてしまう可能性もあります」と指摘。

また、パソコンなど次々と新しくなる設備への教育も欠かせないと話した。

どんなメリット・デメリットが?

「70歳継続雇用」の導入に向けて、今後整備が必要な課題について、三谷教授は「定年を過ぎると再雇用という形になりますが、40%くらい賃金がダウンする高齢者にとっては労働意欲をそぐことになる」ため、賃金体系の整備が必要だという。

さらに、70歳の継続雇用は「先進国でも日本だけの制度だと思います。そこを考慮した年金制度にしていく必要がある」と述べた。

もし「70歳継続雇用」が実現した場合、メリットは人材不足の解消や年金制度の安定化、一方デメリットは、新卒者の募集人数が減少する、最新機器などの高齢者に再教育が必要になる場合があるという。

 

引用元

https://www.fnn.jp/posts/00379010HDK

メリット、デメリットありますね。

メリットの方が大きいかもしれないですね。

 

 

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