現在の就職活動は、3年生夏のサマーインターンシップからはじまり、4年生の6月前半までに終了する学生が多い。しかし、そこが終着点かと言えば、学生にとっても採用担当者にとっても違う。そこから翌年4月の入社式までは1年近くある。10月の内定式でも4か月弱ある。内定学生と企業のハッピーな関係は続かず、内定辞退をする学生が出てくる。

採用担当者は油断せずに、対策を講じる必要がある。それが「内定者フォロー」だ。どのようなフォローをしているのか、学生が歓迎するフォローとは何なのか。企業の動向と学生の意識から読み解いていこう。

圧倒的に多いのは「内定者懇親会」

まず内定者フォローの内容を見てみよう。企業側の「内定者フォロー施策」を見ると、圧倒的に多いのは「内定者懇親会」で、約7割の企業が実施している。続いて「若手社員との懇親会」と「定期的な連絡」が約半数だ。この3つが定番と言えるだろう。「eラーニング・通信教育」「入社前集合研修」「経営者・役員との懇親会」「社内報の送付」もあるが、2割台にとどまる。

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一方、学生側の「企業から受けた内定者フォロー内容」で最も多いのは、やはり「内定者懇親会」だ。企業での実施率は7割前後だが、文系では約7割あり、理系では5割台と少し下がる。

ただ、「内定者懇親会」以外の実施率は低く、「若手社員との懇親会」は2割台、「定期的な連絡」と「内定者サイト・SNS」は1割台。「企業・工場見学会」「管理職社員との懇親会」「入社前集合研修」「社内報の送付」「社内行事への参加」「経営者・役員との懇親会」はそれぞれ数%に過ぎない。

学生が受けた内定者フォローの数字が企業の施策と異なる理由は明らかだ。2つの調査は2018年6月に実施している。企業はこれから実施する施策を含めて回答しているが、一方で学生は内定をもらってから6月までに経験したフォロー内容を回答している。

 

内定式を実施する企業の多くは10月初旬に実施するが、その段階で調査すれば、企業と学生の数字は似通うはずだ。

近年の採用では「親」を意識することが多い。内定辞退の理由が「親の反対」という経験を持つ採用担当者は多いはず。近年に生まれた「オヤカク」という言葉は、内定出しにあたって”親の確認”を取ることを指している。親向けの説明パンフレットを用意する企業もあるそうだ。

ただし、内定を出した学生の親に対する施策を実施する企業は少なく、10%にとどまる。「実施しない」が61%と多く、29%が「未定」だ。企業規模別の違いもあまりない。

もっとも、業種別に見ると、メーカー系の実施企業は6%と少なく、非メーカー系のそれは13%と多めである。対人サービス系の業種は、内定辞退だけでなく早期離職率も高いため、その対策という意味合いがあるのかもしれない。

望まないのは「eラーニング」や「役員との懇親会」

内定者フォローは、企業に対する志望度を上げさせて内定辞退を防止するとともに、翌年4月入社から始まる人間関係を醸成する目的がある。そのためには学生に歓迎される施策であることが望ましい。そこで内定者フォローの施策実施率と学生が「望ましい」とする割合を比較してみた。

内定者フォロー施策の定番は前述のとおり、「内定者懇親会」を筆頭に、「若手社員との懇親会」や「定期的な連絡」と続く。

この3施策に対する学生の支持率は高い。とくに「内定者懇親会」を文系の51%、理系の45%が歓迎している。「若手社員との懇親会」に対しては文理ともに約3割の学生が支持し、「定期的な連絡」に対しても2割強が「望ましい」としている。この3つの施策については、企業の思惑は学生と一致している。

ただし、「eラーニング・通信教育」「経営者・役員との懇親会」「入社前集合研修」「社内報の送付」については、乖離が目立つ。これらの実施率は20%台だが、「望ましい」とする学生は文系で10%台、理系では10%を切っている。

 

続いて実施率20%未満の施策を検証してみよう。企業があまり実施していない施策でも、歓迎する学生はいる。たとえば内定者への「資格取得支援」。これを実施する企業は7%しかないが、文系20%、理系14%は「望ましい」と考えている。「内定者旅行・合宿」も実施企業は3%だが、文理ともに11%が望んでいる。

内定者フォローで親対策を行う企業は少ないが、数パーセントの学生は「望ましい」と考えている。親はうるさい存在ゆえに、企業が親を説明して納得してくれれば子どもは楽、と言うことなのかもしれない。

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今回の学生調査では「望ましい内定者フォロー」と同時に、「志望度が高まる内定者フォロー」を聞いてみた。内容を調べてみると、「望ましい」と一致する施策もあれば、異なる項目もあった。

文理ともに最も志望度が高まるのは「内定者懇親会」で約5割だ。続いて「若手社員との懇親会」と「管理職社員との懇親会」が40%台。「経営者・役員との懇親会」も4割前後である。

内定者と若手社員との懇親会を「望ましい」とする学生は多いが、管理職や経営者・役員との懇親会を歓迎する学生は少なかった。自分の年齢に近い人間との懇親は歓迎だが、年の差が大きい”お偉いさん”は苦手ということだろう。しかし、実際に年配の幹部に接すると、教えられることは多いと言うことだろう。

「会社見学会」や「資格支援」を望む学生も多い

また「会社・工場見学会」も志望度を高めており、文系では3割前後、理系では4割近くが志望度を上げている。理系の場合は会社だけではなく研究所や工場見学も指している。理系人間はモノづくりの現場が好きなのだ。

以上、内定者フォローに関する企業と学生のデータを突き合わせて、紹介してきた。最後に効果的な施策を整理しておこう。

■基本施策
・最も効果のある「内定者懇親会」を実施。「若手社員懇親会」も効果的
→内定者が少なければ、若手社員を交え実施する方法もある
・「経営者・役員や管理職社員との懇親会」の実施は要注意
→年上の幹部社員を歓迎する学生は少ないので、若手社員懇親会などを経てから実施すると効果的
・定期的な連絡は必須
■スキルアップ系
・理系に対しては研究所・工場見学が効果的
→エンジニアとの懇親会をセットするとなお良い
・「資格取得支援」も実施
・「入社前集合研修」は効果的
・必要に応じて「eラーニング」「通信教育」
→業務上必要なら必ず実施する。業務経験のない学生にとってよい準備となり、人事がその進捗状況を確認すれば、よいコミュニケーションになる
■親対策
・「保護者向け資料」を送付する
→送付すると内容が家庭で話題になり、家族とも親密な関係が醸成できる
■ソーシャルメディア
・内定者サイトやSNS
→多くの内定者がいれば、仲間意識を養う効果は大きい。ただし、炎上すると逆効果なので、運営にはスキルが必要

いろいろと数ある内定者フォロー施策。企業は内定時に大まかな内容とスケジュールを学生に伝えておくとよいだろう。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/240834

難しい時代ですね。

内定者の離職をなくすようになってきましたね。

昔は厳しかったけど今は、少しゆるくなってきましたね。

 

 

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